こんばんは、kanatoです。
今回は「ブロンクス」を調製しました。
ドライ・ジンに、ドライ・ベルモットとスイート・ベルモット、そしてオレンジ・ジュースを合わせるショートカクテルです。材料だけ見るとマティーニに近いのですが、オレンジの香りと甘みが入ることで、ぐっと親しみやすい印象になります。
ジンとベルモットの香りを楽しみたいけれど、マティーニほど鋭い一杯は少し重い。そんなときに、ほどよくクラシックで、ほどよくフルーティーに楽しめるカクテルかと思います。
このカクテルについて
ブロンクスは、ニューヨーク市のブロンクス区の名を冠したクラシックカクテルです。ジンと2種類のベルモットを使う構成は、ドライ・ベルモットとスイート・ベルモットを併用する「パーフェクト」スタイルのマティーニに、オレンジ・ジュースを加えたような組み立てです。
由来については諸説あります。禁酒法時代に、粗悪な密造ジンを飲みやすくするため、あるいは摘発を逃れるカモフラージュとして作られた、という説が語られることもあります。一方で、外部資料を確認すると、禁酒法が始まる1920年より前、1900年代初頭にはすでにブロンクスが知られていたとされ、ウォルドルフ=アストリアのバーテンダー周辺で生まれた可能性が高いとされています。
名前については、ブロンクス区そのものだけでなく、同区の名所であるブロンクス動物園にちなむ説もあります。ブロンクス動物園は1899年11月8日に開園しており、その新しい名所の印象がカクテル名に反映された、という流れで語られることがあります。はっきり一つに絞りきれないあたりも、古いカクテルらしい面白さです。
カクテル言葉としては「まやかし」と紹介されることがあります。禁酒法時代のカモフラージュ説を思わせる言葉ですが、由来との直接のつながりは確認しきれないため、読み物として添えておくくらいがちょうどよさそうです。

レシピ
材料
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ドライ・ジン | 30 mL |
| ドライ・ベルモット | 10 mL |
| スイート・ベルモット | 10 mL |
| オレンジ・ジュース | 10 mL |
調製方法
- ドライ・ジン、ドライ・ベルモット、スイート・ベルモット、オレンジ・ジュースをシェーカーに入れる。
- 氷を入れてしっかりとシェークする。
- 冷やしたカクテルグラスに注ぐ。
使用グラス:カクテルグラス
ケンゾーの一言アドバイス

ブロンクスは、オレンジ・ジュースを入れすぎますと輪郭がぼやけますな。まずはレシピ通り10 mLほどで香りを添え、ジンとベルモットの線を残されるとよろしいかと思います。

……ベルモットは古いものを使わない方がいいわ。オレンジは、味を安定させたいなら市販のジュースで十分。
飲んでみた感想
2015.02.13 初調製

第一印象は、思っていたよりもずっと飲みやすいカクテルでした。ジンとベルモットの組み合わせなのでマティーニのような鋭さを想像していましたが、オレンジ・ジュースが入ることで、香りも口当たりもかなり丸くなります。
このときはジンにビーフィーター、ドライ・ベルモットにチンザノ エクストラドライ、スイート・ベルモットにチンザノ ロッソを使いました。スイート・ベルモットの甘みとハーブ感が、オレンジの風味と合わさって、ジンの硬さをうまくほどいてくれる印象です。
ベルモットの香りが味の中心に近いので、できれば開栓から時間が経ちすぎていないボトルで試したいところです。ここがくたびれていると、オレンジを足しても全体が少しぼやけやすくなります。
一方で、作ってから時間が経つと、ショートカクテルらしい冷たさと香りの立ち上がりが落ちてしまいます。このとき妻の採点は55点でしたが、飲むのを忘れて30分以上経ってからの採点だったので、これは少しブロンクスには厳しい条件だったかと思います。
ブロンクスは、作りたての冷たい状態で飲むのが大事な一杯です。ジン、ベルモット、オレンジがきれいに重なる短い時間を楽しむ、クラシックなショートカクテルですね。
調製記録
| 調製日 | 内容 | 使用銘柄(ジン) | 使用銘柄(ドライ・ベルモット) | 使用銘柄(スイート・ベルモット) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2015.02.13 | 初調製 | ビーフィーター | チンザノ エクストラドライ | チンザノ ロッソ | 妻採点55点。30分以上経過後のため参考値 |

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