トマト / Tomate

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こんばんは、kanatoです。
今回は「トマト」を調製しました。
名前を聞くとトマトジュースのカクテルを想像してしまいますが、トマトは一切使いません。グレナデン・シロップが作り出すトマト色が名前の由来という、少し変わった一杯です。ベースはパスティスというフランスのリキュールで、かなり個性的な味わいのカクテルです。

このカクテルについて

「トマト(Tomate)」はフランス語で「トマト」を意味しますが、このカクテルにトマトは使いません。グレナデン・シロップ(ザクロのシロップ)がパスティスと混ざることで生まれるトマトのような赤みがかった色が、そのままカクテルの名前になりました。

ベースのパスティスは、フランス南部マルセイユを代表するアニス風味のリキュールです。もともとは「緑の妖精」と呼ばれた香草系リキュール・アブサンの代替品として、1932年に実業家ポール・リカールが考案・発売したのが始まりです(フランスではアブサンの製造が1915年に禁止されました)。スターアニス、リコリス、フェンネルなどのハーブが織りなす強烈な個性が特徴で、アルコール度数は45度前後。水で割ると透明な琥珀色の液体がたちまち乳白色に変化する「ウーゾ効果」という現象が起きます。これはパスティス中のアネトール(精油成分)が水によって乳化するためで、見た目にも楽しい変化です。

トマトはそのパスティスにグレナデン・シロップを加え、冷水で割ったカクテルです。南フランスのカフェでは定番のアペリティフ(食前酒)として親しまれていて、使うシロップを変えると別名のカクテルになるのも楽しいところ。オルジェ(アーモンドシロップ)を加えれば「モーレスク」、グリーンミント・シロップなら「ペロケ(インコ)」、ストロベリーシロップなら「ルル」と、気分に合わせてシロップを変えながら楽しむのが南仏カフェの流儀です。

レシピ

材料

材料分量
パスティス45 mL
グレナデン・シロップ3 ダッシュ(約 5 mL)
ミネラルウォーター(冷水)約 225 mL(フルアップ)

調製方法

  1. コリンズグラスにグレナデン・シロップを先に入れる。
  2. パスティスをゆっくり注ぎ、軽くステアして混ぜる。
  3. よく冷えたミネラルウォーターをゆっくりと注ぐ。このとき透明だった液体がパステルピンクに変わる(ウーゾ効果)。
  4. 水が混ざり切ったら、最後に氷を加える。
  5. バースプーンで底から 1〜2 回すくい上げる程度に軽くステアして完成。

使用グラス: コリンズグラス

ケンゾーのひとこと

ケンゾー
ケンゾー

グレナデン・シロップとパスティスをあらかじめ合わせてから、冷たい水をゆっくりと注ぐのがコツでしてな。その瞬間に液体がパステルピンクへと変わっていく——これがウーゾ効果でございます。南仏のカフェでは冷水をピッチャーに入れてお客様の横に添え、ご自分の好みの濃さに割っていただくスタイルが長く続いておりますかと思います。

ルナ
ルナ

……氷は水を入れてから最後に加えるの。先に入れると精油成分が結晶化して、白濁がきれいに出なくなるわ。それだけは絶対に守った方がいい。

飲んでみた感想

2026.05.10 初調製

完成したカクテルはパステルピンクの落ち着いた色合いで、見た目はとても爽やか。ところが一口飲むと、アニスとリコリスの強烈な香りが口いっぱいに広がります。歯磨き粉を連想させるような清涼感の中に、グレナデン・シロップの甘みが重なる独特の味わいです。個人的にはこの組み合わせが面白くて、飲み進めるうちにクセになりそうな感覚がありました。ただ、妻に試してもらったところ「無理」のひとことで撃沈。パスティスのアニスフレーバーへの好き嫌いがそのままカクテルへの評価につながります。はまる方にはとことんはまる、なかなか強烈な一杯です。

上の写真は水を入れる前の状態です。グレナデン・シロップの深い赤が際立っていますが、ここに冷水を注ぐと一気にパステルピンクへと変化します。ウーゾ効果を目で見て楽しむなら、水を少しずつゆっくり加えるのがおすすめです。

調製記録

調製日内容使用銘柄(パスティス)使用銘柄(グレナデン・シロップ)備考
2026.05.10初調製リカール明治屋

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